日本航空(JAL)グループは、航空機の補強・修理に使われたチタン合金の端材でピンバッジを製作している。廃棄物に新たな価値を加えて再生させるアップサイクル。担当するのは成田空港で働く約40人の整備士で、JALの新旧主力機をデザインした。イベントなどで販売する。

 通常は廃棄するチタン合金の端材を、成田空港整備地区の日本航空成田第1ハンガーで加工し、ピンバッジ(縦10ミリ、横60ミリ、厚さ1.7ミリ)にする。デザインはエアバスA350―1000型機とダグラスDC―6B型機。整備士が機械などで切り出し、研磨し、彫る。工程は細かく、1個作るのに2日程度かかるという。

 廃棄物の削減と整備士の技術継承が目的だ。企画したJALエンジニアリング成田航空機整備センターの大島亮祐さん(29)は「飛行機や整備に興味を持っていただくきっかけになれば。ファンを増やし、地域貢献と航空人材の育成につなげたい」と話す。

 ピンバッジは1個7500円(税抜き)で、8月6日まで横浜高島屋で開かれたイベントで発売した。空の日(9月20日)にちなみ、9月7、8日に芝山町の航空科学博物館で開催される「航空ジャンク市」でも販売する。

 JALグループは2021年から、拠点ごとにアップサイクルを製造・販売している。成田では航空ピンバッジが5種類目になる。成田広報室の担当者は「運航を支えてきた航空機の部品に新たな命を与え、いつまでもそばに居続けてほしいという願いを込めている」と話す。(小林誠一)

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