自然の中で楽しむ「アウトドアサウナ」の施設が多い山梨県が7月、サウナから景色をもっと満喫できるよう、公衆浴場に関する県条例を施設の周りの囲いを不要とする内容に改正、施行した。富士山や南アルプスなどの雄大な自然を生かして新規事業者を呼び込み、「聖地」として盛り上げて新たな観光資源としたい考えだ。(共同通信=味園愛美)
アウトドアサウナとは、小部屋やテントで体を温めた後、水風呂の代わりに川や湖に入ったり、自然の中で外気浴したりして、体を冷ますスタイル。個人や団体で貸し切って利用できる施設が多く、屋外での開放感が人気を集めている。
検索サイト「サウナイキタイ」に登録されている県内の施設数は7月時点で74件と、全国で北海道に次いで多い。県は2019年、プロジェクトを立ち上げてイベントなどで情報発信している。
ただ、これまでは脱衣所や通路、水風呂など施設全体に、人目を避ける囲いが必要だった。事業者からは「せっかくの景観が見えなくなる」と見直しの要望が上がっていた。条例の改正により、水着などを着用していれば、体の洗い場以外は目隠しが不要となった。
富士河口湖町の「Fuji Sauna」では、森林を眺めながら外気浴できる。ただ、外気浴エリアが約1.5メートルの塀で囲まれているため、経営する菊池俊一さんは「今でも景色を楽しめるが、リニューアルする時はもっと自然を感じられるように、塀の高さを低くするといった工夫をしたい」と意気込む。
県の担当者は「課題がようやく解消された。『アウトドアサウナといえば山梨』と思ってもらえるように、引き続き魅力を発信していきたい」と語った。
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