米兵長の公判が開かれた那覇地裁の法廷=8月30日(代表撮影)

 少女への不同意性交罪などに問われ那覇地裁で続く米兵長の公判には、他の米軍関係者と同様、日米地位協定に基づき軍の法務官が立ち会っている。「厳しい県民感情が判決に影響する」と考える被告がいる中で、米兵事件の裁判に詳しい弁護士は、真実の解明に向け「公平な裁判だと本人に認識してもらうことが最も重要だ」と指摘する。

 8月30日の兵長の公判。被告の傍らには日本の弁護士である弁護人に加え、パソコンで静かに記録を取る軍の法務官の姿があった。軍が付けた通訳も同席し、発言はせず、地裁に選任された通訳人の様子を見守った。弁護人と検察官、裁判長の3者が進行を協議する場面では、地裁の通訳人が訳さないことも考慮してか熱心にメモを取った。

 在日米軍と米兵らの法的地位を定めた地位協定は、日本の裁判での権利を明記。法務官の出廷は「米政府の代表者」が立ち会えるという規定に基づく対応で、「有能な通訳」の参加も必要に応じて認めている。

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