8月23日は、79年前に旧ソビエトが元日本兵や民間人をシベリアなどに移送する指令を出した、いわゆる「シベリア抑留」が始まったとされる日です。
東京 千代田区の千鳥ヶ淵戦没者墓苑では、元抑留者や遺族などで作る団体が追悼式を開き、およそ150人が参列して、全員で黙とうをささげました。
厚生労働省によりますと、抑留され犠牲になったおよそ5万5000人のうち、今も3万2000人を超える遺骨が日本に帰ってきていませんが、このうちロシアでは軍事侵攻の影響で遺骨収集が中断されています。
式典では、3年間シベリアに抑留された99歳の西倉勝さんが「死んだ仲間の遺骨の3分の2はまだ現地に眠ったままです。抑留は依然としてまだ『未解決』なのです。高齢化も進み、私もあと何年こうして話ができるかわかりません。国が本腰を入れてロシアや関係国を動かし、研究・検証を行い、次世代に歴史と教訓を伝えるべきだ」と述べ、犠牲者の遺骨収集や歴史の検証を国が主体となって進めるよう訴えました。
式典のあと、叔父が現在のウズベキスタンで抑留されていたという71歳の男性は「叔父の遺骨は今も現地に残されていて、何らかの方法で日本に持ち帰りたいと思っています。今も世界では争いが続いていますが、戦争はあってはならず、話し合いで解決してほしい」と話していました。
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