大阪地検特捜部が捜査した学校法人明浄学院を巡る業務上横領事件で、無罪が確定した不動産会社プレサンスコーポレーションの山岸忍元社長（６１）が、違法な取り調べがあったとして当時の担当検事の刑事裁判を開くよう求めた付審判請求の抗告審で、大阪高裁は８日、請求を棄却した大阪地裁決定を取り消し、特別公務員暴行陵虐罪で検事を審判に付す決定をした。付審判決定に対する不服申し立てはできず、今後、裁判所が検察官役の弁護士を指定して公判が始まる。 　捜査を担当したのは当時大阪地検特捜部所属だった田渕大輔検事（５２）。田渕検事は山岸氏の当時の部下＝業務上横領罪で有罪確定＝の取り調べで、机をたたいて「なめんなよ」などと罵倒した上、山岸氏の共謀を認めなければ「プレサンスから２０億円ではすまない損害賠償を受けることになる」などと脅迫したとしている。捜査段階で元部下は山岸氏の事件への関与を認めたが、大阪地裁は供述の信用性を認めず、山岸氏の無罪が確定した。山岸氏は田渕検事が同罪で不起訴になったことを不服として付審判を請求した。


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