山形県と秋田県で降った記録的な大雨では、多くの住民が避難所で一夜を過ごした。2度の大雨特別警報が出された山形県酒田市では27日朝、自宅に戻れない住民から不安の声が相次いだ。

 避難所のひとつ、酒田市立一條小学校の体育館。テント式の間仕切りや段ボールベッドが設置され、一人暮らしの高齢者や家族連れら30人以上が寝泊まりする。

 70代女性が住む大沢地区では荒瀬川が氾濫(はんらん)。集落を走る国道344号が陥没したり、橋が崩落したりした。「道路が壊れて自宅に戻れない。ここにもいつまでいられるかは分からない。どうすればいいのか」とため息を漏らした。

 同じ地区に住む後藤悦子さん(65)は市街地の病院に出かけた帰りに道路が通行止めになり、家に戻れなくなったという。最初の避難所は大雨の影響で断水し、一條小に移動してきたという。高台にあった自宅は雨の被害は免れたが、電気は止まったままという。「これからもしばらく雨が続く予報になっている。どうなるか不安だ」と話した。

 また、秋田県では24日夜に大仙市の会社員男性(42)が「道路が冠水していて、迂回(うかい)して帰る」と家族に連絡したまま行方不明になっていることが新たに分かった。今回判明した男性を含め、一連の大雨では、山形・秋田の両県で2人が死亡、3人が行方不明となっている。(山田暢史)

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