上司の机から現金を盗んだなどとして兵庫県警は26日、神戸市内の警察署に勤務する男性巡査(26)を停職1カ月の懲戒処分にし、発表した。盗んだのは、巡査が上司に返済したばかりの「借金」だった。

 監察官室によると、巡査は5月23日夜、上司である30代警部補の机の中から現金3万円を盗んだ疑いがある。

 巡査が帰宅後、たまたまSNSで連絡をしてきた実母に「とんでもないことをしてしまった」と打ち明けて、発覚した。

 上司は、借金問題を抱えていた巡査を案じた親族から依頼を受けて、署内で巡査の現金やクレジットカードを預かっていた。

 また上司自身も巡査にお金を貸していた。盗まれた3万円は、巡査から返してもらったばかりの借金だったという。

 監察官室によると、巡査の借金問題が発覚したのは4月。巡査が手錠の鍵を紛失したため、同僚と探していた際、巡査のかばんからアルバイトの給与明細が出てきたという。

 その後の調べで、巡査は2023年10月ごろから今年3月ごろまでの間に、許可を得ずに警備員と飲食店のアルバイトをして、53万円の収入を得ていたことがわかった。

 巡査は競輪や競馬、オートレースにお金をつぎ込み、家族や消費者金融、同僚らから計約1550万円の借金を抱えていた。

 県警は26日、上司の3万円を盗んだ、窃盗などの容疑で巡査を書類送検した。巡査は同日付で依願退職した。

 「お世話になった上司を裏切ってしまい、本当に申し訳ない」。巡査は県警にそう説明したという。(小田健司)

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