停滞する梅雨前線の影響で記録的雨量となった山形県と秋田県で26日、人的被害が相次いで判明し、死者1人、行方不明者3人となった。山形県新庄市で警察官2人がパトカーごと流され連絡が取れていない。秋田市では増水した雄物川に流されたとみられる男性1人が遺体で見つかり、秋田県は不明者も1人いる。
山形県戸沢村蔵岡地区付近で最上川中流が氾濫。同県では5市町村が計3万世帯超に緊急安全確保を発令した。地元消防によると、蔵岡地区の一部が水没し、住民が孤立している。自衛隊や県がヘリコプターで救助を続けているが、要救助者の全体の人数は把握できていないとしている。
山形県警によると、25日午後11時45分ごろ、新庄市本合海の橋付近で、住民の救助要請に対応していた新庄署の警察官から、乗っているパトカーが流されたと110番があった。現場では半分が水没したパトカーが見つかった。
県警によると、2人は20代男性で巡査部長と巡査長。現場は当時、広範囲で冠水していたという。鈴木邦夫県警本部長は取材に「痛恨の極み。全力を挙げて捜索活動をする」と述べた。
消防によると、現場付近で別の3人を救助し、うち1人に低体温症の疑いがある。また舟形町では土砂崩れにより80代女性が足を挟まれ、救助された。
秋田県警によると、秋田市で行方不明となり、遺体で発見された男性(86)は、25日午後4時ごろから連絡が取れなくなり、同日夜に家族から届け出があった。増水した雄物川の堤防で男性の自転車が見つかり、水門付近にはヘルメットが浮いていた。
同県では25日朝に湯沢市の工事現場で男性1人が行方不明となったことが既に判明している。
気象庁は山形県の6市町村に出していた大雨特別警報を警報に切り替えたが、河川の増水や氾濫、土砂災害、低い土地の浸水に最大級の警戒を呼びかけた。
岸田文雄首相は26日の政府与党政策懇談会で「自衛隊の災害派遣を行うなどしているところだ。引き続き情報収集し、万全の対応を取る」と述べた。警察庁は26日未明、災害警備本部を設置した。〔共同〕
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