山形と秋田の両県で25日、記録的な大雨が降り、気象庁は同日昼から夜にかけ、山形県酒田市と遊佐町を対象に最大級の警戒を求める大雨特別警報を発表した。いったん、警報に引き下げられたが、深夜には山形県内の6市町村で大雨特別警報が再び発表された。その後大雨のピークが過ぎたとして、気象庁は26日午前5時50分に大雨警報に切り替えた。

 ただ、依然として洪水や土砂災害の危険が高い状態は続いているといい、引き続き厳重な警戒を求めている。

 深夜に特別警報が発表されたのは、山形県酒田市、庄内町、新庄市、舟形町、鮭川村、戸沢村。

 また、気象庁は25日午後10時47分、山形県の村山、庄内、最上の各地域で線状降水帯による非常に激しい雨が同じ場所で降り続いているとして、「顕著な大雨に関する情報」を発表した。

 命に危険が及ぶ土砂災害や洪水による災害発生の危険度が急激に高まっている、としている。

 線状降水帯は積乱雲が次々とできて帯状に連なり、数時間にわたって同じ場所に豪雨をもたらす現象。2018年の西日本豪雨や、20年7月の熊本・球磨川が氾濫(はんらん)した豪雨の要因となった。

 すでに人的被害が出ているおそれもある。

 25日午後11時45分ごろ、山形県新庄市本合海の福田山橋付近で、大雨被害を受けて出動中だった山形県新庄署の20代の男性巡査長から「パトカーが流された」と110番通報があった。パトカーには、別の20代の男性巡査部長も乗っていたという。その後2人と連絡が取れなくなっていて、県警が捜索を続けている。

 県警によると、2人は午後11時20分ごろに「車が流された」との110番通報を受け、現場に向かっていた。川に流されるなどした可能性があり、パトカーも見つかっていないという。

【動画】山形県に大雨特別警報が出され酒田市では川が増水していた=清水康志撮影

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