戦地や被爆などで命を落とした五輪選手を紹介する企画展「戦没オリンピアン」が、福山市人権平和資料館で開かれている。パリ五輪に合わせ、平和の大切さについて考えてもらうのが狙い。9月16日まで。
企画展では、1976年モントリオール五輪の走り高跳び代表だった曽根幹子・広島市立大名誉教授が確認した38人の戦没オリンピアンのうち、広島県出身者や肖像写真が入手できた人ら14人を紹介。生涯や競技記録をパネルで展示している。
36年ベルリン五輪砲丸投げ代表の高田静雄さん(広島市出身)は勤務先で被爆。戦後は原爆症に苦しみ、63年に亡くなった。会場では高田さんが五輪で着用したユニホームなども展示している。
32年ロサンゼルス五輪水泳100メートル自由形銀メダリストの河石達吾さん(江田島市出身)は、「二度と生きては帰れません」と言い残して出征。45年に硫黄島で戦死した。
副館長の寺地靖仁さんは「ウクライナでも命を落としたオリンピアンがいる。過去の悲劇を知り、平和の大切さを改めて考えてほしい」と話している。
入館料100円。高校生以下は無料。月曜休館。7月28日午後1時半からは曽根名誉教授の講演「オリンピアンの戦死と帰還から」がある。問い合わせは同館(084・924・6789)へ。(矢代正晶)
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