関係者によりますと、小笠原村の南鳥島で計画されているのは、地上から海上の艦艇を攻撃する陸上自衛隊の「12式地対艦ミサイル」の訓練用の射撃場です。
ミサイルの射程は百数十キロで、爆発しない演習用のミサイルを島の西側の沖合に設ける訓練海域に向けて発射するということで、再来年度以降の運用開始を目指すということです。
防衛省は12式地対艦ミサイルについて、有事が起きた場合に相手の基地などを攻撃する「反撃能力」としても使うため、射程をおよそ1000キロに伸ばす計画で、この改良型のミサイルや、開発中の高速滑空弾などの発射試験や訓練も行われる見通しです。
射程が100キロを超えるミサイルの射撃場の整備は初めてで、国内でも訓練を行えるようにすることで、離島の防衛能力の強化などにつなげたいねらいがあるとみられます。
南鳥島は、本州から南東におよそ2000キロ離れた日本で最も東にある離島で、海上自衛隊や気象庁の職員が常駐していますが、一般の住民はいません。
防衛省は南鳥島での計画を都や村に伝えていて、防衛力の抜本的な強化に向けた動きは、各地に広がっています。
防衛省「東京都と小笠原村に説明は事実 安全に万全期す」
計画について、防衛省は「東京都と小笠原村に説明を行ったのは事実だ。地元自治体からの懸念は承知していて、安全に万全を期すとともに引き続き丁寧に説明を行っていく」とコメントしています。
小笠原村「必要なものだと受け止めざるを得ない」
計画について、小笠原村は「日本を取り巻く厳しい安全保障環境の中で、必要なものだと受け止めざるを得ない。発射の方角などの懸念点については防衛省に検討をお願いしたいと考えている」とコメントしています。
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