◆ターゲットとなったのは若者
4人はマッチングアプリで誘い出した大学生らに、情報商材入りタブレットの購入や「ビジネススクール」の入会契約を30万~60万円で結ばせ、新規会員を1人獲得するごとに紹介料10万を支払うなどのマルチ商法を展開。2019年10月からの約4年間で、42都道府県の約2000人に約8億5000万円を売り上げた。入会者の平均年齢は21.7歳だった。 他に逮捕されたのは、いずれも関連会社で「モノリス」代表大森航斗(かずと)(26)=東京都墨田区、「パイオニア」代表奥寺大(ひろ)(28)=名古屋市、「モア」代表森田帆南(28)=東京都渋谷区=の各容疑者。 逮捕容疑では、運営する会社の連鎖販売取引を巡り、東京都から新たな勧誘の禁止命令が出ていたにもかかわらず、23年4~6月ごろ、スクールの会員に都内の20代男性ら6人を入会するよう勧誘させた、などとされる。同課は認否を明らかにしていない。◆3容疑者に業務禁止命令が出ていた
プレジデント、モノリス、パイオニアを巡っては、都が23年3月、3社に9カ月間業務一部停止を、坂本容疑者ら3人には同期間の業務禁止を命令。同課によると、モアは禁止命令後の同4月に発足しており、3社の事業を継承して勧誘を続けていたとみられる。(小倉貞俊) ◇ ◇◆アプリで出会った女性が「先輩に会って」と言い出し…
異性との出会いを求めて登録したはずのマッチングアプリがきっかけで、マルチ商法の被害に遭った東京都内の大学生の男性(22)が取材に応じ、怒りと悔しさをにじませた。被害を語る大学生の男性=東京都内で
アプリを通じて女性と対面したのは、2022年9月。気が合いそうと思った。女性から「私の尊敬している先輩に会って」と誘われ、その月末に待ち合わせて新宿区内の喫茶店へ行くと、あとから男女が合流。「先輩」という男から「夢をかなえたいなら、投資などを学べるビジネススクールに入った方がいい」と繰り返された。◆「ビジネススクール」入会、10時間も説得され根負け
スクールの事務所に場所を移すと、男は入会料が42万9000円だと説明。男性が断ると「ここで引けば人生後悔する」「君は決断力がない」と執拗(しつよう)に迫り、断り切れずに消費者金融で金を借りることに。疲れ果てて解放されるまで、10時間近くがたっていた。 スクールには週3回の勉強会などがあったが、「ポジティブになれとか同じ話の繰り返し。投資の話もよく分からない」と中途解約を決意。お金は戻らず、女性とは連絡が取れなくなった。◆「出会いをエサにもてあそばれた」
男性自身は、友人や知人を勧誘することはなかったが「出会いをエサにもてあそばれ、借金させてまで入会させるなんてひどい。もう二度と被害者を出さないで」と訴えている。坂本新容疑者
大森航斗容疑者
奥寺大容疑者
森田帆南容疑者
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