広島市西区の南波大祐被告(33)は3年前、知人の21歳の男子大学生に睡眠導入剤を入れた飲食物を摂取させたうえ、廿日市市内のホテルに連れ込んで注射器を使ってアルコールを摂取させ、意識障害を生じさせて殺害したなどとして殺人などの罪に問われました。
これまでの裁判で検察は「自分にかけた多額の生命保険金を得る目的で大学生を自分の『替え玉』として殺害した」と主張して懲役30年を求刑し、被告の弁護士は「殺意を立証できているとはいえない」などと主張していました。
判決で、広島地方裁判所の石井寛裁判長は「被告はインターネットで『保険金殺人、ばれない』や『スズメバチ、死亡』などと検索し、実際に事件のおよそ3週間前に被害者と会う際にスズメバチの入った巣を持参するなどしている。検索履歴は現実の行動に結び付いていて被告の意図を示すものといえ、替え玉保険金目的の殺意があったことが認められる」と指摘しました。
そのうえで「自分にかけた6億円を超える生命保険金を取得する目的で行われた替え玉保険金殺人で、極めて悪質だ。スズメバチを用いた殺害に失敗したのに断念せず、極めて強い殺意のもとで行われた計画的な殺人で、厳しく非難されるべきだ」として、懲役30年を言い渡しました。
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