福岡市の博多駅前で2023年1月、会社員、川野美樹さん(当時38)を刺殺したとして、殺人罪やストーカー規制法(禁止命令)違反などの罪に問われた元交際相手、寺内進被告(32)の裁判員裁判の論告求刑公判が24日、福岡地裁で開かれ、検察側は懲役30年を求刑した。弁護側は待ち伏せはしていないとして懲役17年が相当と主張し、結審した。判決は28日。

検察側は論告で、川野さんがストーカー被害を警察に相談したことで、裏切られたと考え怨恨の感情を募らせたと指摘。「一片の慈悲もなく、残忍極まりない。短絡的、自己中心的な動機に酌量の余地はない」と訴えた。

被告は最終陳述で「全てにおいて僕が悪いと思っている」と謝罪する一方、待ち伏せについては改めて否定した。

起訴状によると、22年11月、規制法に基づき福岡県警から付きまとわないよう禁止命令を受けていたのに、23年1月16日、福岡市博多区の路上で待ち伏せし、午後6時15分ごろ、川野さんの胸や頭を包丁で多数回突き刺し、失血死させたとしている。

22年8月に面識のない男性を殴り約7カ月の重傷を負わせたとする傷害罪にも問われ、今年3月、裁判官のみの区分審理で有罪の部分判決を受けた。28日の判決で量刑が決まる。

〔共同〕

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