高齢者に楽しんでもらおうと、介護施設などに手先の運動や脳の活性化が期待できる知育玩具を定期的に届けるレンタルサービスを、子供向け玩具の企画販売「銀鳥(ぎんちょう)産業」(名古屋市)が行っている。西村友秀(にしむら・ともひで)社長(61)は「おもちゃで五感が刺激されて認知症予防につながり、入居者同士の会話のきっかけにもなる」とアピールしている。
介護に関わる人が「利用者が将棋や囲碁に飽きている」「レクリエーションを考える時間がない」という悩みを抱えていることを知った西村さんらは、子供向けの玩具開発で培ったノウハウを生かし、施設の負担を減らせるのではと考えた。
そこで昨年末、レンタルサービス「Smile toy(スマイルトイ)」を開始した。年3万3千円の料金で、崩さないように積み木を組み立てるバランスゲームや違う形の木片を隙間なく積む立体パズルなどの玩具から6点を、2カ月ごとに借りることができる。月3300円で4点を1カ月間貸し出す気軽なプランも用意し、無料モニターも募集している。
商品に同封された説明書のQRコードを読み込むと、動画を通して一目で遊び方が分かる。気に入った商品は、定価の20%引きで新品を購入可能だ。5月23日時点で、青森県や宮崎県などの全国14施設にサービスを提供している。
導入した奈良県田原本町のデイサービスでは、脳梗塞でまひが残った利用者から玩具を使うことで「少しずつ指が動くようになった」と声が寄せられており、リハビリ効果も期待されている。
西村さんは「さまざまなおもちゃで遊んでもらい、意欲的に笑顔で過ごしてほしい」と話し、創業100年を迎える来年7月までに全国100施設への導入を目指している。(共同通信・星野遼太郎)
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。