恋愛感情を利用する「ロマンス詐欺」の被害金回収をうたって他人に弁護士名義を貸したとして、大阪地検特捜部は18日、弁護士の川口正輝容疑者(38)=大阪弁護士会=を弁護士法違反(非弁提携)の罪で起訴し、発表した。

 会社役員の井田徹(39)=横浜市神奈川区=、鈴木義守(48)=川崎市幸区=、作道美稚代(38)=大阪市浪速区=、井川敬太(40)=埼玉県入間市=の4容疑者も同法違反(非弁活動)の罪で起訴した。いずれも認否を明らかにしていない。

 起訴状などによると、川口容疑者は4人に名義を貸して2022年12月~23年7月、横浜市内で複数の事務員にロマンス詐欺被害者ら17人に電話やLINEなどで法的な助言をさせ、着手金計約1811万円を受け取ったとされる。

 関係者によると、4人は広告会社などを経営。川口容疑者の顔写真を載せたインターネット広告で依頼者を集め、手配した事務員らに対応させていたという。川口容疑者は着手金の大半を4人に払っていたという。

 大阪弁護士会によると、川口容疑者は1800人超の詐欺被害者らから、計約9億円の着手金を受け取っていた。

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