JR上熊本駅(熊本市西区)で昨年、屋根の一部が落下した事故で、市から撤去費用などを請求されている施工業者2社が17日、「事故を心配して熊本市に改修を提案していたのに無視され続けた」と明らかにした。市は、この2社に損害賠償を求めて提訴する議案を開会中の6月市議会に出している。
2社は太陽土木と新西土木(いずれも熊本市)。記者会見した代理人弁護士によると、屋根付き通路の工事は2016年3月に終了。4月に熊本地震が起き、5月に屋根からの雨漏りが確認された。このため、2社は市と協議を始め、補修案を二つ作った。19年7月には「原因究明と修補に真摯(しんし)かつ誠実に取り組む」旨の確認書を取り交わしているという。
ところが、何度も市に問い合わせたにもかかわらず市からの動きは無いまま、昨年7月に東口駅前広場にある歩行者通路で屋根の落下事故が起きた。代理人は「提案が通れば最大でも1千万円ほどの負担で済んだ。1億4800万円もの損害賠償を求められる理由はない」と話している。(森北喜久馬)
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