兵庫県尼崎市のコンビニで売上金などを盗んだとする窃盗容疑で県警に誤認逮捕された同市の60代女性が17日、必要な捜査を怠った違法な逮捕で約14時間半拘束され、精神的苦痛を受けたなどとして県や国などに計330万円の損害賠償を求め神戸地裁に提訴した。 訴状によると女性はコンビニ店員だった昨年11月に釣り銭ボックスから現金を盗んだ疑いをかけられ、コンビニ社員の通報を受けた尼崎南署が12月に逮捕した。その後、会社から「被害金額を修正したい」と連絡を受けた署が捜査した結果、被害金とされた分は店から本部に送金され、窃盗の事実がなかったことが判明。女性は釈放された。 原告側は女性が防犯カメラ映像の確認を警察官に求めたのに聞き入れられなかったと主張。被害申告をうのみにして必要な捜査を怠ったなどとしている。 女性は提訴後の記者会見で「自分のようにつらい思いをする人を二度とつくらないでほしい」と話した。県警の正木博文監察官室長は「訴状の内容を検討し、関係機関と協議の上、適切に対応したい」とのコメントを出した。
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