法律相談のために訪れた弁護士との面会を刑務所職員に妨害されたのは違法だとして、札幌刑務所に収監中の40代男性と弁護士が国を相手取り、慰謝料計20万円を求める訴訟の第1回口頭弁論が14日、札幌地裁であった。

 訴状などによると、男性は昨年11月、札幌刑務所内で暴力を受けたとして、法テラスに支援を求める文書を作成。法テラス札幌から連絡を受け、田中健太郎弁護士(札幌弁護士会)が対応することになった。

 田中弁護士は、刑務所側に法律相談のためと事前に告知した上で、今年2月2日午前に刑務所を訪問した。男性への面会申入書を受付に提出して待合室にいたところ、職員2人から、男性が居室内で謹慎する「閉居罰」の最中であることを理由に面会できないと告げられたという。

 職員が法的根拠としたという刑事収容施設法は、閉居罰中の受刑者への面会停止を定めている。一方、例外として、訴訟準備など権利保護に必要な場合は除くことも明記されており、田中弁護士がその場で指摘。重ねて面会を要求したが、職員らは「これ以上申し上げることはない」として拒否したという。

 被告の国はこの日、男性と田中弁護士が面会できなかった事実は認めた上で、請求を退けるよう求めた。(上保晃平)

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