大阪湾で昨年1月に死んだクジラの処理費が大阪市の当初の試算から2倍以上に膨らんだ問題で、横山英幸市長は13日、処理契約の根拠などを調べるための市外部監察専門委員による調査チームを設置したことを明らかにした。当時の契約事務が適正かどうかを調べる。
この問題では、市大阪港湾局が依頼した海運業者がクジラを処理。業者の処理費用の試算額は、市の試算額より2倍以上高かった。価格交渉を経て、昨年3月末に、業者の試算額に近い8019万円で契約。通常は直接交渉に関わらない立場の港湾局の経営改革課長が、業者の意に沿うよう、港湾局の担当課長に増額を迫っていたことが明らかになっている。
市監査委員が4月、第三者機関による調査の必要性を指摘。今月7日には、市入札等監視委員会が6項目の問題点を示し、「契約金額には疑義が残る」との意見を出した。
市は外部監察専門委員について「職員の不祥事等に対して、組織としての自浄作用を働かせるため、迅速に客観的な事実等を明らかにし、組織の改善、市民の信頼回復に努めるため」などとうたっている。
市の担当課によると、調査チームは弁護士8人で構成。クジラ処理の方法や契約の積算根拠を調べるほか、港湾局の組織統治についても改善策を示す見込み。
ただ、過去の外部監察専門委員の調査は通常、結果が出るまでに1年以上かかっているという。横山市長は13日、すでに他の機関による調査も済んでいるとして、「1年半や2年(かかる)というレベルではない。先行して報告を受けて、(処分の判断など)次に移行する進め方はあり得る」と述べた。(原田達矢)
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