ネットで男性の相談に乗るという架空の副業サイトで、応募女性から手数料などをだまし取ったとして、警視庁犯罪収益対策課は11日、詐欺と窃盗の疑いで、サイト「サポー(現ピーチリンク)」を運営していた新潟市中央区、職業不詳加藤真詩(まさし)容疑者(41)ら26人を逮捕したと発表した。    ◇  ◇

◆サクラ「あなたの助言は素晴らしい。50万円を払いたい」

 「メールでお話を聞くだけのお仕事です」。警視庁犯罪収益対策課によると、被害者の女性はネットで副業を探す中、こんなうたい文句を見つけ、副業サイト「サポー」を訪れた。

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 掲示板では会社員を名乗る男性から「職場で女性社員の扱い方に悩んでいる」と相談された。実はこれがサイト側の「サクラ」。そうとは知らない女性は「あなたの助言は素晴らしい。お礼に50万円を払いたい」と言われ、すっかり信じ込んでしまったという。  ところが報酬を受け取るために個人情報を交換しようとすると、サイト運営側から「まず有料会員になり、専用回線を導入してほしい」と横やりが入った。料金を支払ったが、今度はパスワード入力がうまくいかない。エラー解消のための手数料などを要求され、追加で払い続けるうち、被害は40万円を超えていた。  国民生活センターには昨年度、こうした副業詐欺サイトを含む「利益誘導型サイト」による被害相談が約3000件寄せられた。センターは「支払いを促す言葉をうのみにせず、冷静に判断してほしい」と注意を呼びかけている。(佐藤航)    ◇  ◇

◆少なくとも約8600人が計19億円被害とみられる

 運営者の他に逮捕されたのは、振り込みや暗号資産などでだまし取った詐取金を回収する「出し子」のリーダーとみられる職業不詳鈴木一樹容疑者(48)=千葉県市川市=や、女性に架空の相談を持ち掛ける「サクラ」役の男女ら。  同課によると、グループは副業を検索してサイトを訪れた女性に「報酬を得るには正規会員になり、専用回線を導入する必要がある」と指示し、手数料をだまし取っていた。2021年1月〜23年9月、20、30代を中心に少なくとも約8600人が計19億円の被害に遭ったとみられる。  警視庁と千葉、宮城、埼玉、福岡の各県警は10日、1都4県のグループの拠点11カ所を一斉捜索した。  逮捕容疑では、共謀して昨年7月17日〜9月16日、都内の女性(42)=当時=から、会員登録や回線導入などの名目で約40万円をだまし取ったほか、女性ら複数の被害者に振り込ませた口座から129万円を引き出して盗んだとされる。同課は26人の認否を明らかにしていない。 

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