東京の旧国鉄三鷹駅で1949年に起きた「三鷹事件」で電車転覆致死罪に問われ、死刑が確定した竹内景助元死刑囚(病死)の第2次再審請求で、最高裁第2小法廷(三浦守裁判長)は遺族の特別抗告を棄却する決定をした。再審開始を認めない判断が確定した。

15日付で、裁判官4人全員一致の結論。詳しい理由は示さなかった。

再審請求審で弁護側は、電車の破損状況などに関する専門家の鑑定書を新証拠として提出。元死刑囚以外の複数人による犯行と主張したが、東京高裁は2019年の決定で「自白の信用性を認めた確定判決に合理的な疑いはない」と退けた。同高裁の別の部も22年、遺族の異議申し立てを棄却した。

事件は1949年7月15日夜に発生した。三鷹駅で無人電車が暴走し、駅にいた6人が死亡、20人が重軽傷を負った。GHQ(連合国軍総司令部)占領下で起きた旧国鉄に絡む鉄道三大事件の一つとされる。

旧国鉄の人員整理に反対する日本共産党の組織的犯行として運転士ら10人が起訴され、一審判決は唯一党員でなかった元死刑囚の単独犯行として無期懲役を言い渡し、ほかの9人を無罪とした。元死刑囚は二審で死刑判決を受け、55年に最高裁で確定した。〔共同〕

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