能登半島地震で大きな被害を受けた半島北部から離れて生活する石川県立高の生徒が、新学期から避難先に近い県南部の県立内灘高(内灘町)に通学し、在籍校の授業をオンラインで受けている。避難生徒の学習機会を確保するのが狙いだ。

パソコンを使用してオンライン授業を受ける輪島高の生徒=16日、石川県内灘町で

 内灘高には、奥能登2市2町の県立高5校に在籍し、金沢方面に避難する1~3年生約50人が通っている。  学校や学科、学年ごとに空き教室を割り当て、各生徒がタブレット端末を持参する。このうち体育の授業はオンライン対応が難しいため、県教委が内灘高に専属の体育教諭を配置した。

◆体育教師・健康観察の教師も配置

 県教委は16日、授業の様子を報道陣に公開した。この日は生徒23人が出席。地理や数学の授業をオンラインで受講し、タブレット端末の画面に映る黒板の内容などをノートに書き込んでいた。体育の授業では、体づくりの一環でバドミントンを楽しんだ。  生徒の出欠確認や健康観察をする教諭も配置。金沢駅と内灘高を結ぶスクールバスも朝夕に特別運行する。同様の取り組みを3月までは県文教会館(金沢市)で実施していたが、より学校生活に近い形になるよう内灘高に変更した。  県教委の担当者は「生徒は不安もあると思うが、できるだけ要望に応えて学びの環境を保っていきたい」と話した。(栗田啓右) 

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