大阪大学は2026年度入試から基礎工学部の学校推薦型選抜で「女子枠」を計20人分設ける(大阪府豊中市の豊中キャンパス)

大阪大学は17日、2026年度入試から基礎工学部の学校推薦型選抜(旧推薦入試)で「女子枠」を計20人分設けると発表した。同学部は女子学生の割合が9.7%(23年度)にとどまり男女比が偏っている。多様な視点を取り入れ、学習や研究活動の活性化を狙う。

理工系学部の入試での女子枠は東京工業大、名古屋大などが既に導入している。京都大も26年度に理系2学部で総合型選抜(旧AO入試)、学校推薦型選抜で計39人分の枠を創設する。

阪大の基礎工学部は電子物理科、化学応用科、システム科、情報科学科の4学科からなる。同学部の学生は1919人(同年度)でうち女性は9.7%の187人。女性比率は理学部(19.4%)、工学部(13.9%)を下回り、ほかの旧帝大と比べても低い水準だという。

学校推薦型選抜は高校時代の活動、大学入学共通テストや面接などの結果に基づき合否を判定する。基礎工学部では26年度以降、一般枠の募集定員は25年度の45人を維持しつつ新たに20人の女子枠を新設する。

阪大は近年、理系の女子学生の支援に力を入れる。理学、工、基礎工の3学部については入試の成績が優れた計50人に「入学支援金」として1人当たり20万円を支給。医学部などを含めた理系全体の女子学生同士が交流するネットワークも整備している。

政府の教育未来創造会議は22年5月の提言で、大学に多様な視点を取り入れてイノベーションを生み出そうと、理工系分野への女子の進学を拡大させる方針を盛り込んだ。政府は入試で女子枠を設ける大学に、同年度から財政支援を始めている。

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