東京都千代田区が発注した工事の入札情報を漏らした見返りに業者から賄賂を受け取ったとして、あっせん収賄と官製談合防止法違反(入札妨害)の罪に問われた元区議の嶋崎秀彦被告(64)の初公判が7日、東京地裁であり、検察側は懲役2年6月を求刑した。弁護側は執行猶予付きの判決を求めて結審した。判決は7月16日。

◆見返りに業者から現金5万円余と10万円分の商品券など受け取ったか

 嶋崎被告は起訴内容を認め、「業者には選挙の時に支援してもらった。長年の付き合いでどうしても断れなかった」と述べた。検察側は論告で、被告は区議会議長を務めた影響力を悪用し、多くの区職員を巻き込んで事件を主導したと指摘。談合組織だった業者グループの政治的支援などを受けるため、継続的に犯行を繰り返していたとした。

千代田区役所

 弁護側は、被告が早い段階から捜査に協力的だったなどとして情状酌量を求めた。  起訴状によると、元区行政管理担当部長の吉村以津己被告(62)=官製談合防止法違反罪で公判中=と共謀し、2020年5〜8月に入札が行われた五つの工事で、区から聞き出した最低制限価格などに関する情報を業者に伝えて便宜を供与。見返りとして業者から現金約5万5880円分と10万円分の商品券を受け取るなどしたとされる。 

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