佐渡金山を構成する「相川鶴子金銀山」のシンボル「道遊の割戸」。人力で掘り山頂が割れたようになった(新潟県佐渡市)=共同

世界文化遺産への登録を目指す新潟県の「佐渡島の金山」について、文化庁は6日、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関が日本に追加情報を求める「情報照会」を勧告したと発表した。世界遺産登録について「考慮するに値する価値があることは認められた」とした。

勧告には上から順に「登録」「情報照会」「登録延期」「不登録」の4段階がある。登録の可否は勧告を踏まえ、7月21〜31日にインド・ニューデリーで開かれるユネスコ世界遺産委員会で審議される。

同委員会で勧告通り決議されれば、翌年以降の審議に回ることになる。一方で、文化庁によると、これまでに「情報照会」の勧告が出ても、同委員会で登録が決議された事例がある。

政府は7月の同委員会での登録決議を目指して対応する方針。

佐渡金山は「西三川砂金山」と「相川鶴子金銀山」の2つで構成される。17世紀における世界最大級の金生産地だった。世界の鉱山で機械化が進む中、独自の伝統的手工業を確立し、1989年まで操業を続けていた。

政府は2022年2月に23年の登録を目指して推薦書を提出。ユネスコから構成内容の一部について説明が欠落しているとの指摘を受け、23年の登録を断念し、同年1月に推薦書を再提出していた。

佐渡島の金山 


日本を代表する金山。中心となる鉱山は1601年に開山したとされる。明治時代になって機械化がはかられ、1896年に民間に払い下げられた。採掘や選鉱、製錬、精錬の遺構、奉行所跡や鉱山集落跡などがある。坑道跡、採掘施設、製錬施設などは国の重要文化財、史跡、近代化産業遺産に指定されている。

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