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 厚生労働省が5日に発表した2023年の人口動態統計(概数)によると、東京都の「合計特殊出生率」(女性1人が生涯に産む子どもの推定人数)は、全都道府県で最低の0.99だった。  小池百合子知事は5日夜、報道陣に「極めて厳しい数字」と受け止めを語り「誰にとっても安心できる政策を、シームレス(継ぎ目なく)に打ち出す必要性を強く感じた」と述べた。

◆未婚化や晩婚化、社会経済状況、価値観の変化…

 都によると、2023年の出生数は8万6347人で8年連続減少した。総人口も30年をピークに減少に転じる見通し。都の吉川健太郎・少子化対策担当部長は「未婚化や晩婚化、社会経済状況、価値観の変化など、複合的な要因が考えられる」と分析する。  都は「望む人が安心して産み育てられる社会」を目指し、23年度から少子化対策を強化。高校授業料の実質無償化や18歳以下の都民1人に月5000円を給付する「018サポート」、第2子の保育料無償化、将来の妊娠・出産に備える卵子凍結への費用助成制度を導入してきた。  育児休業に積極的な企業の登録制度や都独自の人工知能(AI)マッチングシステムの導入など、環境整備や社会機運の醸成にも取り組んでいる。吉川部長は「政策の具体的な効果を示すことは難しいが、待ったなしの課題。現在の取り組みの効果を上げていきたい」と話す。(渡辺真由子) 

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