能登半島地震で大きな被害を受けた奥能登2市2町の春の営農再開見通しについて、石川県は16日、米の作付け面積で震災前の6割、野菜の面積で5割になることを明らかにした。

 2市2町は、輪島、珠洲両市と能登、穴水両町。

 県によると、5月上旬から田植えが始まる水稲は、約1600ヘクタール(昨年約2800ヘクタール)、野菜(主にカボチャとブロッコリー)は約35ヘクタール(同約70ヘクタール)とそれぞれ減った。

 県がJAなどと連携し、地割れや用水路の破損、農業用ため池、水をくみ上げるポンプの故障状況などを確認。耕作者の意向も一定程度踏まえたうえで、作付けが可能と判断した面積を公表した。

 水稲は、昨年の作付け面積2800ヘクタールのうち、輪島市が1千ヘクタールを占め、同市の被害の大きさが作付けの減少に影響したという。

 馳知事は16日の報道陣の取材に「よく6割、5割まで持ち直していただいた。冬の厳しい基盤整備の作業のなかで関係者に感謝している」と述べた一方、「1年でも生産ができなければ人も離れる。土地の状況も変わってくる。来年は、100%、1年前と同様に再開できるよう支援をしたい」と語った。(土井良典、波絵理子)

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