国立がん研究センター研究所の河野隆志分野長らのグループは、受動喫煙が、女性の肺がんの多くを占める肺腺がんに、どのように影響するのか調べるため、女性の肺腺がん患者400人余りを対象に遺伝情報の解析を行いました。
その結果、10代か30代で毎日受動喫煙を経験した患者では、そうでない人より、変異した遺伝子の数が10%ほど多いことがわかりました。
このうち、変異した遺伝子の数が多い患者を対象に、遺伝子をより詳しく調べたところ、喫煙者のがんでよく見られるタイプの遺伝子変異はごくまれにしか見つからなかった一方、肺の炎症によって起きやすくなる別の遺伝子変異が見つかる割合が、受動喫煙が無かった患者と比べ2倍程度多くなっていたということです。
研究グループは、受動喫煙は、みずから喫煙した場合とは違うメカニズムで肺腺がんのリスクを高める可能性が示されたとしています。
河野分野長は「肺の炎症を抑えるなど、新たな予防法の開発につながる成果だ」としています。
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