能登半島地震の被害を受けた石川県穴水町の澗口(まぐち)良夫さん(75)宅の裏庭にあるバラ園でバラの花が見頃を迎え、被災者らの心の癒やしとなっている。

 およそ2千平方メートルの敷地に、約150品種、400株のバラが咲き誇る。約50年前に金沢市のバラ園から着想を得て、「能登にもバラ園をつくりたい」と造園。バラ園は海に隣接していて、条件が良ければ湾の奥に富山県の立山連峰が見えることから、「海辺のバラ園」と名付けた。

  • 写真ルポ 能登半島地震

 バラ園は澗口さんの在宅時に無料開放していて、町内外の人たちが集まってくる。輪島市や珠洲市からは、地震で自宅が全壊した人や、家族を亡くした人も訪れたという。

 澗口さんの自宅も準半壊の被害を受け、バラ園にも数十メートルに渡って亀裂が生じたという。澗口さんは、「みんな泣いている時に馬鹿だと思われるかもしれない。でも、被災した人たちがバラを見て笑顔になる様子を見たら、今年もやってよかったと思う」と話していた。

 見頃は6月中旬まで続く見込み。(金居達朗)

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