第2次大戦中に海外などで亡くなった身元不明の戦没者を慰霊する厚生労働省主催の拝礼式が27日、東京都千代田区の千鳥ケ淵戦没者墓苑で開かれた。今年の新たな納骨はロシアや硫黄島、マリアナ諸島などで収容され、身元が分からず遺族に引き渡せなかった301柱。これまでに納められた遺骨と合わせると37万700柱になる。
遺族約300人や秋篠宮ご夫妻らが参列。武見敬三厚労相は「戦後79年を迎えようとする今日、いまだに多くの戦没者が各地に眠っている。一日も早くふるさとに戻れるよう全力を尽くす」と式辞を述べた。
参列した静岡県御前崎市の増田幹夫さん(76)は、船員として徴用された伯父の遺骨が戻っていない。1943年9月、伊豆諸島沖で機銃掃射に遭い船が沈没したという。世界平和を願い「海外から帰ってこない方も大勢いる。安らかに眠ってほしい」と話した。
式は、新型コロナウイルス流行を考慮し昨年まで参列人数を制限していたが、今年は2019年以前と同様の開催規模に戻した。〔共同〕
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