NTT西日本の子会社から900万人分を超える個人情報が流出した問題で、営業秘密を不正に持ち出したなどとして不正競争防止法違反の罪に問われた元派遣社員、景山昌浩被告(63)=兵庫県西宮市=の初公判が23日、岡山地裁津山支部で始まった。景山被告は「間違いございません」と述べ、起訴内容を認めた。

 起訴状などによると、景山被告は昨年1月17日、システムの保守業務を担っていた「NTTビジネスソリューションズ」(大阪市)のサーバーから、保管されていた顧客の名前や住所などのデータをダウンロードして複製し、東京都内の名簿業者へメールで送信したとされる。

 岡山県警によると、景山被告は2013年7月ごろから約10年間にわたって、同様の手口で企業や自治体など計69団体の個人情報約928万人分を持ち出したとみられ、複数の名簿業者に売却して総額2千万円以上を得ていたという。

 事件をめぐっては、総務省が今年2月、NTT西を行政指導。社外の弁護士を入れた同社の調査委員会は、NTTビジネスソリューションズの管理体制の不備や、情報流出の確認を求めた取引先への虚偽回答があったと指摘。NTT西の森林正彰社長(当時)は3月に引責辞任した。(北村浩貴)

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