川崎市の会社役員、藤井亮平容疑者(41)ら12人は、去年6月までの2年近くの間に、実体のない会社、いわゆるペーパーカンパニーを設立したうえで、詐欺の被害者などから法人名義の口座に振り込まれた金、合わせて550万円余りを別の口座に移してマネーロンダリング=資金洗浄を行ったとして、組織犯罪処罰法違反などの疑いで21日逮捕されました。
容疑者らは「リバトングループ」を名乗り、さまざまな犯罪グループから依頼を受けて資金洗浄を繰り返していた疑いがあり、管理する4000以上の口座には少なくとも600億円が入金されていたということです。
警察はほかにも30人以上が関わっているとみて捜査していますが、このうち主要なメンバーを含む数人が海外に出国した疑いがあることが捜査関係者への取材で分かりました。
グループは2021年5月ごろから活動していたとみられるということで、警察はこの数人について組織犯罪処罰法違反などの疑いで逮捕状を取り、行方を捜査するとともに、グループの実態解明を進めています。
グループを総括か 法人HP“AIによる資産運用に特化”
警察によりますと、「リバトングループ」は9つの法人からなり、それぞれがペーパーカンパニーの「設立者」となる人物を募ったり、犯罪グループから資金洗浄を請け負ったりしていた疑いがあるということです。
このうち、グループを総括していたとみられる法人のホームページには、AIによる資産運用に特化した事業を行っているとしたうえで「大量の市場データを解析し、投資判断に活かすための高度なAI技術を開発・適用しています」などと記載されています。
しかし、ホームページはトップページと会社概要のページしかなく、代表者の名前も記載されていません。
登記簿などによりますと、この法人は2020年6月に東京 新宿区で設立され、先月、富山市内のビルの1室に移転していました。
警察は21日、この部屋を含む関係先を捜索し、法人の実態を詳しく調べています。
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