裁判員制度が15年となるのを前に、元裁判員22人が20日、死刑制度や死刑の実態について十分な理解がない状態で裁判員が評議に臨んでいるとして、死刑の執行停止や情報公開、国民的な議論を促すよう求める要請書を法務省に提出した。

◆死刑囚の日常、執行順など知った上で議論を

 提出者のうち3人は、死刑判決を言い渡した裁判員裁判の経験者。この日、一部の提出者が記者会見し、死刑囚の境遇や執行の順番などについての情報公開が不十分などと指摘した。

死刑の執行停止や情報公開を求める要請書を出した田口真義さん(右から2人目)ら元裁判員たち=20日、東京・霞が関の司法記者クラブで

 2012年にさいたま地裁で審理された殺人事件の裁判員裁判で死刑判決を出した元裁判員の60代主婦は「執行の順番や死刑囚が日常をどのように過ごしているかなど、死刑についての情報をもっと広く出してほしい」と求めた。  田口真義さん(48)は、10年前にも同様の要請をしたが法務省は対応しなかったとし、「死刑をなくそうと求めているのではない。国民が死刑の実情を知った上で議論することが必要だ」と述べた。(中山岳) 

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