20日午前7時半ごろ、宮城県石巻市の石巻港に係留中の貨物船の倉庫内で、作業中の日本通運の男性社員2人が倒れているのを別の作業員が見つけた。

 石巻海上保安署によると、2人は酸欠で意識を失った。救急搬送されたが、同市の男性(57)は意識不明の重体、大崎市の男性(53)は容体が安定し帰宅したという。

 船はパナマ船籍で、15日から石巻港に係留し、パームヤシ殻を積んでいた。事故当時、積み込む予定量5千トンのうち約3500トンが積み込まれていたという。2人は積んだパームヤシ殻の表面をならす機材を倉庫内に積み込む作業中だった。

 2人は積んであったパームヤシ殻の上で倒れていたという。署は、作業直前まで倉庫の扉が閉まっていたことや、パームヤシ殻は酸素を吸収しやすい特性があることが原因の可能性もあるとして調べている。

 パームヤシ殻はパーム油を生産することで出る。海外から輸入され、バイオマス燃料として国内で使われている。石巻市では今年、「石巻ひばり野バイオマス発電所」の営業運転が始まった。署によると、この船に積んでいたのはその余剰分を他国に送るためのものだという。(阿部育子)

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