サカイ引越センターが不当な出来高払いを採用しているとして、元作業員兼ドライバーの3人が未払い残業代の支払いなどを求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は15日、残業代など計約1570万円の支払いを命じた一審・東京地裁立川支部判決を支持し、サカイ側の控訴を棄却した。

3人は月約6万〜7万円の基本給のほか、「業績給」などの手当が支給されていたが、労働の成果を適正に反映する仕組みではなく、不当に賃金が抑えられたと主張していた。

金子修裁判長は、労働基準法が定める出来高払いは労働の成果で賃金が決まると指摘。手当は営業職が顧客と交渉して決定される売上額に応じて支給されており、作業員兼ドライバーだった3人には出来高払いが当てはまらないとした一審の判断を支持した。残業代の支払いを怠ったとして制裁に当たる「付加金」の支払いも命じた。

一審判決によると、3人は2013年に正社員として入社。3人の月平均の残業は約86時間だった。

3人は訴訟で「成果を反映する仕組みになっていない。残業を維持しながら賃金を抑えるためで、違法だ」と主張。原告代理人らは判決後に記者会見を開き、「『見せかけの歩合給』に歯止めをかける判決だ。同様の賃金制を採用している業界全体にも波及し得る」と評価した。〔共同〕

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