東日本大震災の被災者と首都圏の住民有志でつくる「ふっくら布ぞうりの会」(東京都世田谷区)が、能登半島地震の被災地を支援しようと、手作りした布草履のチャリティー販売を始めた。材料となる未使用の綿Tシャツの寄付も募る。

色鮮やかな布草履

 会は、東日本大震災の復興支援活動を機に、2011年秋に発足。現在は宮城県石巻市、南三陸町と岩手県陸前高田市、東京都世田谷、江東の両区、神奈川県平塚市で、計約40人の「編み手」が作っている。仕入れた布を裁断し、幅1センチほどのひも状にした綿生地で編む。

◆「履き心地が良い」と評判、年間4000足を販売

 「履き心地が良い」と好評で、会のオンラインサイトや催事などで年間約4000足を販売する。能登支援の品では、未使用のTシャツを材料の一部に使ってコストを節約し、支援に回す。  会代表の工藤賀子(のりこ)さん(57)は「期間限定のグッズやミスプリントで販売できないなど、廃棄せざるを得ないTシャツは意外とある。そうした布地を使い、(不用品をより価値の高いものへ生まれ変わらせる)アップサイクルができたら」と話す。

布草履を持つ「ふっくら布ぞうりの会」代表の工藤賀子さん

 ボランティアで東京での布草履販売を手伝ったことをきっかけに、会を作った工藤さん。編み手には育児や介護のため自宅で働きたい人や、発達障害などで外出が苦手な人も加わっている。子育て中のメンバー天白有香さんは「時間の制約があっても家で作れて、ノルマもない。楽しい」。会は編み手の育成も進め、活動の輪を広げたいという。   1足6600円から。能登支援の品では1足につき300〜1000円を、被災地で活動する団体へ寄付する。サイト「ふっくら布ぞうりshop」で販売。未使用Tシャツの寄付の問い合わせはメール=info@fukkura.jp=で。(奥野斐) 

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。