学生や女性にもタクシー運転手の担い手になってもらい、ドライバーの人数を増やそうと、千葉構内タクシー(千葉市中央区)が運転手のアルバイト採用を始めた。10日、本社前で1期生3人の出発式があり、新人ドライバーを乗せたタクシーが街なかへ駆け出した。

 アルバイト運転手は専用の青いジャケットを羽織っていて、当面はアプリからの配車依頼だけを受け付ける。

 車両にはタクシー配車アプリ大手「GO」のナビシステムを搭載しており、目的地を入力すれば自動で最適なルートが示されるため、経験の浅い運転手でも道に迷うことなく運転できるという。

 1期生のひとり、大竹正人さん(65)は、通信販売会社の定年退職を機に応募した。運転手は未経験で、この春、旅客を運べる普通二種免許を取ったばかり。年齢を考慮して正社員にはならず、アルバイトで働くことにした。出発前には「第二のキャリアとして、運転できる限りは続けたい」と意気込んだ。

 業界で異例のアルバイト採用に踏み切ったのは、深刻化する運転手不足に対応するためだ。

 タクシー運転手になるためには普通二種免許が必要で、取得費用が1人当たり20万円以上かかる。会社側は採用コストを抑えるため、長く働いてもらえる正社員採用が主流になっている。

 しかし、少子高齢化に伴ってタクシー運転手は年々減っている。フルタイムではない柔軟な働き方を認めることで、新しい層の掘り起こしを狙う。

 タクシー運転手は完全歩合制だが、アルバイトは時給制なので、収入が安定するメリットもある。千葉構内タクシーの加藤雄三社長は「アルバイトから始めて、稼げると判断してもらったら、正社員に切り替えてもらうことも考えている」と話した。

 アルバイトは現在も募集している。勤務は午前6時~午後10時のシフト制で、時給は1350円。問い合わせは同社本社営業所(043・242・6541)へ。(若井琢水)

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