アメリカの捜査当局は11日、大谷選手の口座から本人に無断で1600万ドル以上、日本円でおよそ24億5000万円以上を不正に送金したとして、元専属通訳の水原容疑者を銀行詐欺の疑いで訴追しました。

不正な送金は違法賭博でつくった多額の借金を返済するためだったとしています。

この事件をめぐっては10日、アメリカの有力紙ニューヨーク・タイムズが、元通訳が罪を認める方向で交渉を進めていると伝えています。

捜査当局によりますと、水原容疑者は現地時間の12日午後、日本時間の13日午前にも、ロサンゼルスにある裁判所に出頭する見通しです。

アメリカの司法制度に詳しい専門家によりますと、裁判所では裁判官による最初の審問や、保釈をめぐるやり取りなどが行われるとみられます。

銀行詐欺罪は金融機関を欺いた場合などに適用され、起訴されて有罪になれば「100万ドル以下の罰金」もしくは「30年以下の拘禁刑」、またはその両方が科せられます。

今回の訴追を受けた手続きがどこまで行われるのかが焦点となります。

アメリカ連邦法の「銀行詐欺罪」とは

アメリカの連邦法に定められている「銀行詐欺罪」は金融犯罪の取り締まりに使われ、故意に▽金融機関を欺いたり、▽うそや詐欺などを用いて金融機関が所有・管理する金銭や有価証券などの資産を取得したりした場合に適用されます。

罰則は、「100万ドル以下の罰金」もしくは「30年以下の拘禁刑」、またはその両方が科せられると定められています。

裁判所への出頭以降の手続きは

銀行詐欺の疑いで訴追された水原一平容疑者は、日本時間の13日にもロサンゼルスの裁判所に出頭する見通しです。

アメリカの司法制度に詳しい専門家によりますと、裁判所では、裁判官による最初の審問が行われ、黙秘権の告知などが行われます。

そして保釈金を払うなどの条件が整えば釈放され、整わない場合は勾留されるということです。

その後は、民間人からなる「大陪審」と呼ばれる非公開の審理が行われ、訴追された容疑者を正式に起訴するかどうか決めることになります。

アメリカでの「訴追」とは

アメリカの司法制度に詳しい専門家などによりますと、訴追は多くの場合、検察官が訴追請求状を裁判所に提出して行われる手続きで、日本にはないものだということです。

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