【北京=共同】北朝鮮の朝鮮労働党副委員長や党宣伝扇動部長を務め、故金日成主席の時代から3代にわたり体制を支えた重鎮、金己男(キム・ギナム)氏が7日に多臓器不全で死去した。94歳だった。朝鮮中央通信が8日、訃告として伝えた。金正恩党総書記が8日未明に弔問した。金正恩氏を葬儀委員長とする国葬を執り行う。
金己男氏は、2011年の金正日総書記の葬儀・告別式で、ひつぎを乗せた車に付き添った中枢メンバーの一人。宣伝扇動部門が長く、最高指導者の権威を高めることで3代世襲に貢献した。
1929年、東部江原道元山で生まれ、51年に金日成総合大学の教員に就いた後、60年から党中央委員会の科学教育部などで勤務。70年代に党機関紙、労働新聞の主筆となり、85年から党の宣伝扇動部門の要職を歴任し、最高人民会議(国会)代議員も務めた。
2009年に韓国の金大中元大統領が死去した際は弔問団を率いて訪韓した。北朝鮮で最高の栄誉とされる金日成勲章と金正日勲章を受章しており、晩年は党顧問を担った。
訃告は、金己男氏が元老として長年にわたって最高指導者と党を支えてきた「真の忠臣だ」とたたえた。
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