目次

  • イスラエル軍 “ラファ検問所のガザ地区側を掌握”

  • ハマス “ラファ検問所の攻撃は停戦と人質解放を妨げる”

イスラエル軍 “ラファ検問所のガザ地区側を掌握”

イスラエル軍は7日、およそ120万人が身を寄せるガザ地区南部ラファの一部地域で地上部隊が限定的な作戦を開始し、エジプトとの境界にあるラファ検問所のガザ地区側を掌握したなどと発表しました。

これについて、ネタニヤフ首相は7日、作戦は人質解放とハマスの壊滅という目的達成のために欠かせないとして継続する構えを強調しました。

イスラエルは、ハマスが受け入れるとした戦闘休止と人質解放をめぐる提案について、イスラエルの中核的な要求を満たすには程遠いとしていますが、ネタニヤフ首相は、仲介国のエジプトに交渉団を派遣したと明らかにしました。

ハマス “ラファ検問所の攻撃は停戦と人質解放を妨げる”

一方、ハマスは7日「ラファ検問所の攻撃は危険なエスカレーションで、停戦と人質解放への努力を妨げるものだ」などと強く反発していて交渉が進展するかは予断を許さない状況です。

ガザ地区での戦闘は7日で7か月となりましたが、地元の保健当局によりますと、犠牲になった人はこれまでに3万4789人と連日、増え続けているほか、イスラエル軍が人道支援物資の搬入拠点となってきたラファ検問所を掌握したことで搬入が途絶えていると伝えられていて、人道状況のさらなる悪化が懸念されています。

グテーレス事務総長「ラファ攻撃は人道的悪夢」

国連 グテーレス事務総長は7日、ニューヨークの国連本部で急きょ会見を開きました。

はじめに、イスラエルとイスラム組織ハマスとの間の交渉について、「両者の合意は、ガザのパレスチナ人、人質として拘束されている人とその家族の、耐え難い苦しみを止めるために不可欠だ」と述べ、イスラエルとハマスの双方に対し合意に向けて力を尽くすよう改めて呼びかけました。

一方で、「しかし事態は誤った方向に進んでいる」と述べ、ガザ地区南部のラファでイスラエル軍の地上部隊が作戦を始めたことについて触れ、「イスラエル政府に対していかなるエスカレーションもやめ、現在進行中の外交交渉に建設的に関与するよう強く求める」と訴えました。

そしてグテーレス事務総長は「ラファへの攻撃は戦略上の誤りであり、政治的惨事であり、人道的悪夢だ。イスラエルに影響力を持つすべての関係者に対し、さらなる悲劇を避けるために全力を尽くすよう訴える」と述べ、イスラエルを擁護してきたアメリカをはじめ、すべての関係国に対し、ラファへの地上作戦の中止をイスラエル政府に働きかけるよう呼びかけました。

ユニセフ「子どもたちの映像や現地の話すべてが無視された」

イスラエル軍の地上部隊がガザ地区南部のラファで作戦を始めたことを受け、国連機関は、現地の人道状況の悪化に一層懸念を強めています。

ユニセフ=国連児童基金の報道官は、7日、スイスで行った記者会見で「あらゆる警告、殺傷された子どもたちの映像や現地の絶望的な話などすべてが無視された。最も恐れていた悪夢が現実のものとなった」と述べ、停戦が必要だと訴えました。

また、OCHA=国連人道問題調整事務所の報道官は、ラファの検問所は現在、イスラエル軍が掌握しておりガザ地区への人道物資の搬入ができなくなっているとした上で、「一定期間燃料が来なければ、ガザ地区での人道活動は墓場に追い込まれてしまう」と述べ、人道状況の悪化に強い危機感を示しました。

国連によりますと、ラファでは現在、安全な水や食料の不足が深刻な上、トイレはおよそ850人に1つ、シャワーはおよそ3500人に1つしかないなど、衛生環境も劣悪となっているということです。

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