JPモルガンは2四半期ぶりの増益(ニューヨーク市)=ロイター

【ニューヨーク=斉藤雄太】米銀最大手JPモルガン・チェースが12日発表した2024年1〜3月期決算は純利益が前年同期比6%増の134億ドル(約2兆円)だった。増益は2四半期ぶり。融資などから生じる純金利収入が伸び、投資銀行や資産運用ビジネスの手数料収入も堅調だった。

事業会社の売上高に相当する純営業収益は9%増の419億ドルだった。JPモルガンは23年5月に破綻した米地銀ファースト・リパブリック・バンクを買収しており、前年比でみた収益が押し上げられている面もある。

純金利収入は11%増の230億ドルだった。融資残高の増加や、預金などの調達金利と融資などで稼ぐ金利の差である利ざやの拡大が寄与した。ただ、融資残高や利ざやは前の四半期(23年10〜12月期)からは縮小した。

非金利収入は前年同期比7%増の188億ドルだった。企業のM&A(合併・買収)や資本市場を通じた資金調達が活発になり、投資銀行業務の手数料収入が18%増えた。資産運用ビジネスの手数料収入も20%増えた。

不良債権処理にかかる与信費用は18億ドルと17%減り、利益の押し上げ要因になった。貸倒損失は増えたが、融資の焦げ付きに備える貸倒引当金は過去に積んだ分の戻り益を計上した。

米連邦預金保険公社(FDIC)は米地銀シリコンバレーバンクなどの破綻時の預金保護にかかった費用を回収するため、前の四半期から米銀各行に特別な負担金を課している。JPモルガンは24年1〜3月期に7.25億ドルを追加で負担した。

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