イスラエル軍の攻撃によって破壊されたとみられる公園に集う子どもたち(11日、ガザ市)=ロイター

【エルサレム=共同】イスラエル軍は12日、パレスチナ自治区ガザ北部ガザ市の住宅を空爆し、民間人29人が死亡した。中部ヌセイラトの避難所では艦船からの砲撃で1人が死亡、多数が負傷した。パレスチナ通信が伝えた。米ニュースサイト、アクシオスによると米国際開発局(USAID)のパワー長官は10日、ガザ北部の人々が飢餓に直面し始めていると語った。米当局者がガザの飢餓を公言するのは初めて。

イスラエル軍は12日、ガザ支援の食料を積んだトラックが11日に戦闘開始後初めて「新たな北部の検問所」からガザに入ったと発表した。米政府の要請でイスラエル政府が開放を約束したエレズ検問所の可能性がある。

パワー氏は下院外交委員会の公聴会で「南部での飢餓回避に必要な分量の食料が届いておらず、北部では亡くなる子どもたちが増えている」と強調。昨年10月の戦闘開始前は、ガザ北部で栄養失調状態の子どもが「ほぼゼロ」だったが、今では3人に1人の水準まで増えたと説明した。

ガザ北部は5月までに飢饉に襲われると指摘される。国連人道問題調整室(OCHA)によると、今月上旬までに栄養失調や脱水症で子ども28人が死亡している。

一方、ガザでイスラエル軍と戦闘を続けるイスラム組織ハマスの最高指導者ハニヤ氏は11日、ロイター通信に対し、休戦交渉を続ける意向を示した。10日にイスラエル軍の攻撃で息子3人と孫4人が死亡したが「パレスチナ人の利益が全てに優先する」と強調。「交渉での合意を求めているが、イスラエルが要求に回答することから逃げている」と非難した。

ガザ保健当局は12日、戦闘開始以降のガザ側死者が3万3634人になったと発表した。

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