米消費者のあいだで、雇用に対する見通しが悪化した。

【ニューヨーク=佐藤璃子】米調査会社コンファレンス・ボードが23日発表した12月の米消費者信頼感指数は、前月の改定値から8.1ポイント低下して104.7となった。9月以来、3カ月ぶりの低水準となった。トランプ次期米大統領による輸入関税の強化策がインフレ再燃を招くとの懸念が高まり、現況、見通しともに低下した。

消費者信頼感指数は米個人消費の先行指標とされ、1985年を100として算出している。大統領選直後の反応を映した11月の同指数はインフレ鈍化や株高を歓迎し、1年4カ月ぶりの高水準を記録した。12月はダウ・ジョーンズによる市場予想(113.0)に反し、前月から低下した。

内訳をみると、足元のビジネスや労働市場の景況感を示す「現況指数」は140.2と前月から1.2ポイント低下した。短期的な見通しを示す「期待指数」は81.1と12.6ポイント下がった。

コンファレンス・ボードのチーフエコノミスト、ダナ・ピーターソン氏は「10〜11月に見られた楽観的な見方が後退し、特に将来の雇用見通しに対する悲観的な見方が再び強まった」と声明で述べた。今後6カ月で雇用が増えるとの回答は19.1%と前月比3.7ポイント低下した。雇用が減るとの回答割合は21.3%と同3.4ポイント上がった。

トランプ次期政権による関税強化策を懸念する回答も多かった。回答者の46%が関税引き上げによって生活費が上昇すると予想したという。

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