米国の優れた報道に贈られるピュリツァー賞が6日、発表された。最も権威のある公益部門は、米連邦最高裁判事がぜいたくな旅行の供与を受けていた実態を掘り起こした、調査報道専門サイト・プロパブリカに贈られた。
プロパブリカは昨年4月、最高裁の保守派のトーマス判事が20年超にわたって、毎年のように共和党の大口献金者が所有するプライベートジェットやヨットで旅行し、この献金者が所有するリゾート施設も使いながら、供与を公表していなかったと報道。また、同じ保守派のアリート判事も別の大口献金者の招待でプライベートジェットを使って旅行していたと明かした。
ピュリツァー賞委員会は授賞理由で「最高裁を包む、分厚い秘密の壁を破った」と評価した。最高裁も報道を受けて昨年、初めてとなる倫理基準を設けた。
他には、ニューヨーク・タイムズが昨年10月に起きたイスラム組織ハマスによるイスラエルへの攻撃や、イスラエルによる報復についての報道などで、国際報道部門など3部門で受賞。ワシントン・ポストも、ロシアの反政権活動家でジャーナリストのウラジーミル・カラムルザ氏が刑務所から書き続けたコラムなどが評価され、やはり3部門で受賞した。
ロイター通信も、パレスチナ自治区ガザ地区での戦闘の写真などにより、ブレーキングニュース写真部門など2部門を受賞した。ピュリツァー委員会は、ガザ地区で報道を続けるジャーナリストらにも特別賞を贈った。(ニューヨーク=中井大助)
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