内戦が続いてきたシリアでは、反政府勢力が8日、首都ダマスカスを制圧して半世紀余りに及んだ独裁的なアサド政権が崩壊しました。

反政府勢力を主導した「シリア解放機構」のジャウラニ指導者は、新政権樹立を急ぐ考えを示し、10日には、暫定政権の首相に北西部イドリブ県を実効支配してきた統治機構のリーダー、バシル氏が任命されました。

任命後、バシル氏は、シリアの国営通信などに対し、暫定政権の任期は来年3月までで暫定政権の閣僚はアサド政権の閣僚も交え、政権移譲に向けて閣議を開いたと明らかにし、市民生活を安定させるため、政権移譲の動きを加速させる考えを示しました。

ただ、こうしたプロセスは国連などからテロ組織に指定されている一部の反政府勢力に主導権がにぎられているとして懸念の声もあがっていて、安定的な政権移譲が行われるかは不透明です。

こうした中、イスラエル軍はアサド政権が保有していた兵器が反政府勢力の手に渡るのを防ぐためだとして、シリア国内の軍事施設などを標的に、過去48時間で350回以上の空爆を実施したと主張していて、不安定な情勢が続いています。

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