コーセーは10日、タイの化粧品ブランド「パンピューリ」を展開する企業を買収すると発表した。コーセーは2030年までの中期経営計画にグローバルサウス(新興・途上国)での販売増を目標として盛り込んでいる。タイや香港で展開しているパンピューリのブランドを取り込むことで、海外売上比率を高める。
パンピューリは天然素材を活用したハンドクリームや香水、入浴剤など高級化粧品に強みを持つ。パンピューリを展開するピューリの2023年12月期の売上高は5.8億タイバーツ(約26億円)。24年12月期の売上高は23年に比べて約2倍になるとみられる。
日本では伊勢丹新宿店本館(東京・新宿)や阪急うめだ本店(大阪市)が取り扱っている。電子商取引(EC)ではオイル状の香水は50ミリリットルで約3万円、ハンドクリームは約4千円で販売されている。
コーセーは11月に30年までの中期経営計画を発表した。23年で37%の海外売上比率を30年までに50%以上に引き上げる。グローバルサウスの構成比は3%から12%に高めるとしている。中国と収益性の高い免税店での化粧品販売をさす「トラベルリテール」で苦戦しており、成長領域のグローバルサウスでの成長を目指す。
コーセーは高価格帯の「コスメデコルテ」や「タルト」で世界展開している。世界的な事業成長に向けた「脱自前」を掲げており、今回の買収に至った。企業買収は14年に発表したタルト以来となる。
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