ロシア ウクライナ情勢(12月5日の動き)

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ロシア外相 “越えてはならない一線がある” 欧米を警告

ロシアのラブロフ外相は、ウクライナが欧米から供与された射程の長いミサイルで攻撃を行っていることなどをめぐり、ロシアにとって越えてはならない一線があることを欧米は理解せねばならず、そうでなければ、さらなる行動で示すと警告しました。

ロシアのラブロフ外相はアメリカの保守的なテレビ局、FOXニュースで看板キャスターだったタッカー・カールソン氏のインタビューに応じ、その映像が6日、公開されました。

この中でラブロフ外相は、ウクライナが欧米から供与された射程の長いミサイルでロシア領内への攻撃を行っていることについて「ロシアにとって越えてはならない一線が存在しないと欧米が考えるなら、それは深刻な間違いだ」と述べました。

その上で、ロシア側が11月、新型の中距離弾道ミサイル「オレシュニク」による攻撃を行ったことについて「ロシアはあらゆる手段を講じる用意がある。欧米がそれを理解できないなら、さらなるメッセージを送る」と警告しました。

そして、ウクライナの最大の支援国であるアメリカのトランプ次期大統領について「とても強く、結果を求め、物事を先延ばしにしない人物だ。プーチン大統領が述べたように、ボールはアメリカの側にある。われわれの方から経済や安全保障などのつながりを断ったことはない」として、関係改善はトランプ次期政権の出方次第だとの見方を示しました。

またラブロフ外相は、ウクライナとの和平交渉の条件については、ウクライナがNATO=北大西洋条約機構に加盟することは認められないなどと改めて強調しました。

ロシア軍が使用 北朝鮮製のミサイル “爆発力の強さが脅威に”

ロシア軍が、ウクライナへの攻撃に使用している北朝鮮製の短距離弾道ミサイルについて、ウクライナの研究所は、精度は低いものの、爆発力の強さが脅威になるという見方を示しました。

軍事侵攻を続けるロシア軍はウクライナに対し、北朝鮮製の短距離弾道ミサイルを使った攻撃も行っていて、ウクライナはこれまでに60発近く使用したと見ています。

ロシア軍のミサイルや無人機の分析を行っているキーウの犯罪科学研究所は5日、NHKの取材に応じ、キーウ州で回収した「KN23」と呼ばれる北朝鮮製の短距離弾道ミサイルだとする破片を公開しました。

使われている金属や、破片に記された番号などから北朝鮮製だと特定したとし、日本製やアメリカ製の部品も含まれていたと指摘しました。

軍事研究部門の責任者を務めるクルチツキー氏は、ロシア製のミサイルに比べて多くの爆発物を積んでいるとしたうえで、「北朝鮮のミサイルはロシアのミサイルよりも弾頭が大きい。特定の目標には命中しないかもしれないが、強力に爆発する」と述べ、精度は低いものの爆発力が強く、脅威になるという見方を示しました。

一方、「KN23」より射程が短いとされる「KN24」の残がいも公開し、北朝鮮がロシアにさまざまな種類のミサイルを供給しているとしています。

ロシアと北朝鮮は有事の際の軍事的な支援などを明記した条約を発効させるなど協力関係を深めていて、ウクライナは両国の軍事協力に警戒を強めています。

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