クボタは小回りの利く小型ショベルカーを欧州で増産する

クボタは6日、ドイツに小型ショベルカーの新工場を建設すると発表した。2026年から生産を開始し、現地法人の生産能力を4割増やす。投資額は非公開としている。建設機械の売上高を28年までに23年比6割増の1兆円とする計画で、中長期的に成長市場の一つと位置付ける欧州の需要を取り込む。

ドイツで建機の製造販売を手掛けるクボタバウマシーネン(ラインラント・プファルツ州)の現工場の近隣に新たな工場用地を取得する。クボタの小型ショベルカーは小回りが利き、都市部の建設工事などで多く使われている。22年12月期の建機事業における欧州の売上高は2割で、北米・オーストラリアの6割に次ぐ。

欧州での小型建機の需要は足元で低迷している。24年1〜9月期の欧州での建機の売上高は前年同期比で291億円減った。クボタは「経済停滞に伴う市場の縮小が続いており、販売が減少した」と説明している。小売りが振るわず、ディーラーの卸売り在庫を圧縮するため、減産に踏み切っているのが現状だ。

建機の需要が低迷するなかでの新工場建設についてクボタは「中長期的に需要拡大が見込まれる」ためだとしている。インフレや金利の上昇で一時的に市場が低迷しているものの、吉川正人副社長は「(25年12月期が)今期と比べてさらに悪くなることはない」と底打ち感を強調する。

クボタにとって建機はトラクターなど農業機械に並ぶ主力事業の一つだ。特に成長市場として期待するのが北米で、22年には約78億円を投じ、土木作業に使うコンパクト・トラック・ローダー(CTL)を製造する工場を米カンザス州に新設した。CTL市場の伸びを受け、追加投資を重ねて生産能力を引き上げてきた。

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