【パリ=北松円香】フランスのマクロン大統領は3日、バルニエ内閣の不信任決議が成立すれば大統領も辞任するとの見方を否定した。任期の「最後の1秒まで全力を尽くし」、職務を全うすると述べた。
訪問先のサウジアラビアで記者団の前で語った。仏メディアが報じた。
極右の国民連合(RN)などの野党はマクロン氏によるバルニエ首相任命の責任を問い、大統領職を退くよう要求している。仏議会における大統領弾劾手続きのハードルは高く、マクロン氏が意思に反して辞職に追い込まれる可能性は限定的だ。
左派とRNは2日、それぞれバルニエ内閣の不信任案を議会に提出した。投票は4日(日本時間5日)の予定だ。バルニエ氏が憲法規定を適用し、議員投票を経ずに緊縮型の予算を強行採択しようとしたことに反発した。
左派とRNの議席を合わせると国民議会(下院)の半数を超え、不信任案は成立する公算が大きい。マクロン氏は「不信任決議は信じない」と述べ、内閣総辞職を回避する道があるとの見方を示した。
もっとも仏経済紙レゼコーなどによれば、マクロン氏は不信任案が成立すれば早期にバルニエ氏の後任を指名したい意向だ。候補者の選定を進めているとみられる。
バルニエ氏もこの日出演した仏テレビTF1の番組で、不信任決議回避の余地は残っているとの見方を示した。「議員にはそれぞれ責任が伴う。責任を持った反応が出てくる可能性がある」と述べた。
また政府債務の増大や金利上昇による国民負担の大きさにも触れ、財政再建の重要性を改めて訴えた。「莫大な金利を中国や日本、米国の投資家に支払っている」と強調した。
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